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#Instagram運用#個人店#店舗集客

2 店舗目を出すとき、Instagram は分けるか一本化するか — 1 人運営の判断ガイド

雑貨店・ベーカリー・美容室で 2 号店を出すとき、各店舗ごとに Instagram を分けるか本店一本に集約するかを1 人運営の判断軸で整理しました。5 つの質問で自分の場合がどちらかを 30 分で決められます。

執筆: 藤野 遙(編集長)

並んだ 2 つの店舗のショーウィンドウを朝の光が静かに照らす

2 店舗目を出すとき、Instagram は分けるか一本化するか — 1 人運営の判断ガイド

雑貨店の 2 号店をもうすぐオープンする。あるいはベーカリーの本店から少し離れた駅前に、もう 1 軍構えることが決まった。そのとき手が止まるのが、Instagram をどうするかという問いです。各店舗ごとに別アカウントを立てるべきか、本店のアカウント一本でやり続けるか。検索しても出てくるのは大手チェーン向けの話か、機能の解説ばかりで、1 人や家族で店を回すオーナーが 30 分で決められる判断軸はなかなか見当たりません。

この記事は、店舗が 2 から 5 ほどの小規模オーナー向けに、分ける / 一本化のどちらが自分の場合に向くかを、5 つの質問で決められるように整理しました。先に結論を出して、運用のルールまで一気に書きます。

結論を先に:分けるのは「来店圏が違う」とき、一本化は「同じ世界観・同じ客層」のとき

判断ルールは 2 行で言えます。

  • 来店圏 (商圏) が車で 30 分以上離れていて、しかも扱う商品やサービスが店舗ごとに明確に違うなら、分ける
  • 来店圏が重なっていて、扱うものも世界観も共通なら、一本化する。

理由はシンプルで、Instagram のフォロワーは「住んでいる場所」と「好きな世界観」で集まってくるからです。商圏が離れた 2 店舗を 1 つのアカウントで運用すると、東京の店の投稿に大阪のフォロワーが反応しても来店にはつながらず、投稿の手応えが薄くなります。逆に、同じ街の中で世界観も共通なら、フォロワー資産は 1 箱所にまとめておいた方が、3 年後の積み上がりが大きくなります。

それでも迷うなら、運用負荷側から考えると判断が早まります。1 人で店を回しているなら、アカウントが 2 つになると投稿カレンダーも撮影機会も 2 倍になります。週 3 投稿が現実的だった人は、2 アカウントになった瞬間に週 6 投稿を抱えることになり、3 ヶ月で破綻します。そのため小規模オーナーには、迷ったら一本化を推奨しています。

分ける / 一本化、それぞれの良いところと負担

両方の選択肢のメリットと負担を、1 人運営の視点で整理します。

分けるメリット:店舗ごとに位置情報を正しく付けられる、地元のフォロワーと近い距離で会話できる、店舗ごとの個性 (本店はクラシック、2 号店はカジュアル、など) を独立して育てられる。

分ける負担:投稿カレンダーが 2 つになる、撮影も 2 店舗分必要、ハイライトやプロフィールの整備も 2 倍、フォロワー数も 2 つに分散する。

一本化メリット:フォロワー資産が 1 箱所に積み上がる、投稿カレンダーが 1 つで済む、本店で育てたブランド世界観をそのまま 2 号店にも届けられる、運用負荷が増えない。

一本化の懸念:投稿を見た人が「どっちの店の話?」と迷う、位置情報を毎回正しく選ぶ手間が出る、ハイライトに本店と 2 号店の情報が混在する。

懸念のほうは、後述する「キャプション冒頭の店舗タグ」と「ハイライトの分け方」で大半は解決できます。一方、分ける場合の負担は仕組みではあまり減らせません。撮影機会も投稿の意思決定も、店舗の数だけ増えます。

5 つの質問で自分の場合を判定する

紙とペンを用意して、5 つの質問に Yes / No で答えてください。

  1. 商圏は重なっていますか? (本店と 2 号店が同じ街、または車で 20 分以内)
  2. 扱う商品やサービスは共通ですか? (新作の入荷タイミング、メニュー、施術内容が同じ)
  3. ブランド名は共通ですか? (屋号が同じ、もしくは「○○本店」「○○駅前店」のように親子関係)
  4. 店舗をまたいで運用できる人 (自分含む) がいますか? (両店の様子を週 1 回以上見られる)
  5. 1 人で週 3 投稿以上を 3 ヶ月続ける自信がありますか? (今の本店で実績がある)

Yes が 3 つ以上 → 一本化を推奨。一つのアカウントで両店を扱い、店舗タグで投稿を仕分ける運用に向きます。

Yes が 2 つ以下 → 分けるを推奨。商圏が違う、商品が違う、人手が足りない、のどれかに引っかかっているので、無理に統合しても投稿が止まります。

判断は紙に書き出して、3 ヶ月は変えないのが原則です。理由は最後の節で触れますが、Instagram はアカウントの統合や分割を後から綺麗にやり直す仕組みがありません。先に決めることが、3 年後の自分への最大の贈り物になります。

ノートに書かれたチェックリストと小さな鉛筆

一本化する場合の運用ルール — どっちの店の投稿か迷わせない

一本化を選んだ場合、フォロワーが投稿を見たときに「これは本店の話なのか、2 号店の話なのか」が一目でわかるようにする必要があります。4 つのルールで足ります。

1. キャプション冒頭に【本店】【○○店】を必ず付ける。たとえば「【駅前店】今週末に新作のリネンエプロンが入荷します。」のように、必ず先頭に角括弧で店舗名を置きます。これだけでフィードを流し見しているフォロワーも瞬時に判別できます。

2. ハイライトを店舗別に分ける。ストーリーズのハイライトは「本店メニュー」「駅前店メニュー」「本店アクセス」「駅前店アクセス」のように、店舗 × 用途で並べます。プロフィールから 1 タップで自分が知りたい店の情報にたどり着けるようにします。

3. 投稿ごとに位置情報を正しい店舗で付ける。位置情報は店舗単位で登録できるので、投稿時に「本店」「2 号店」を毎回選び直します。Google マップで両店の登録を済ませておくのが前提です。位置情報の登録手順は店舗別の位置情報設定の記事に詳しく書きました。

4. ストーリーズも店舗ごとにロゴ or 文字スタンプを付ける。フィードと同じ判別ルールをストーリーズにも適用します。

これに加えて、投稿カレンダー側に「本店 / 駅前店」のタグを付けておくと、週次で見たときに片方の店ばかり投稿していないかを 30 秒でチェックできます。同 pillar のガイドはこちらで、複数店舗を含めたカレンダー全体の組み方を扱っています。

分ける場合の運用ルール — 投稿の谷を作らない週次設計

分ける選択をした場合、難所は「両方のアカウントで投稿が継続する」状態を作ることです。1 人運営で 2 アカウントを回すなら、曜日分担と共通テーマ週の 2 つで設計します。

曜日分担の例

  • 本店:火・木・土
  • 2 号店:水・金・日
  • 月曜は両方とも休投稿日 (撮影と仕込みに当てる)

これで 1 アカウントあたり週 3 投稿、合計週 6 投稿。1 人で続けられる現実的な上限です。週 4 以上を 1 店舗でやろうとすると、3 ヶ月で必ず止まります。

共通テーマ週:新商品の入荷、季節企画、年末年始の営業案内など、両店共通の話題は同じ日に両アカウントで投稿します。素材は 1 回作って 2 投稿に使い回せばよく、撮影の負担を増やさずに両店の動きを揃えられます。

先に整えておくこと:両店ともプロフィールと最初のセットアップを終えていることが前提です。2 号店のアカウントを立てる際の最初のセットアップ手順は、本店のときと同じ流れで構いません。プロフィール文と位置情報、ハイライトの 3 つを最初の 1 週間で完成させてから、初投稿に入ります。

それと、1 人で 2 アカウントを回すなら、撮影は週 1 回まとめて両店分を済ませる「撮影日」を作るのが現実的です。日々の運用で撮るのではなく、週 1 で 30 分、両店分の素材を作り置きする発想です。素材が無い日は、ブランドの世界観から自動で投稿案を起こせる仕組みに頼るのも一つの選択肢です。

壁に貼られた週間カレンダーに店舗別のタグが小さく並ぶ

後から方針を変えるときに失うもの・残せるもの

最後に、判断を変えたくなったときの話を書いておきます。

フォロワーは引き継げません。Instagram には、複数のアカウントを統合する機能も、1 アカウントを 2 つに分割する機能もありません。本店アカウントを後から「本店専用」に絞り、2 号店用に新アカウントを立てると、これまで本店アカウントで集めた 2 号店エリアのフォロワーはそのままで、新アカウントは 0 フォロワーから始まります。

残せるもの:プロフィール文、ハイライト、位置情報、過去投稿。これらは設定し直せば移行できます。ハイライトに使っていたストーリーズも、保存していれば再アップロードできます。

実務的な落とし所:3 ヶ月は最初に決めた方針を変えない。3 ヶ月後に「やはりこちらが正しかった」となった場合だけ移行します。3 ヶ月の間に方針が揺れるのは、運用の問題ではなく仕組みの問題なので、5 つの質問に戻ってもう一度整理してください。

まとめ

店舗が 2 つになっても、明日の投稿を並べておく場所が 1 つあれば、判断はずいぶん軽くなります。brandroom は店舗別にタグを付けて、カレンダー上に並べて管理できます。もしよければ、覗いてみてください。

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