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#Instagram運用#個人店#カフェ

パリのカフェのInstagramを観察する — 日本の小さなカフェが世界観づくりで真似できる4つの所作

パリ・スラバヤ・スマランのカフェInstagramを「何を写していないか」から観察し、日本の個人カフェが明日から真似できる4つの所作にまで翻訳します。海外を憧れで終わらせない、観察の手順つき。

執筆: 藤野 遙(編集長)

「センスのいいカフェのInstagramが羨ましい」と、海外のアカウントを夜に眺めて、フォローして、画面を閉じる。

その繰り返しで、自分の店の投稿は今日もできていない——という方に向けて書きます。

この記事では、パリ・スラバヤ・スマランの人気カフェのInstagramを観察対象として置き、そこから「日本の小さなカフェが明日から真似できる所作」を4つだけ抜き出します。海外を憧れで終わらせず、自分の店に翻訳して持ち帰るための、観察の手順つきです。

パリのカフェのInstagramは「何を写していないか」が決めている

パリの小さなカフェのInstagramを並べて眺めると、ある共通点が見えてきます。

写っていないものが、はっきりしている。

人物の顔がほぼ写りません。価格やキャンペーン情報も載りません。長い説明文もありません。1枚の写真と、短い言葉と、ときどき場所の名前。それだけです。

代わりに写っているのは、引きで撮られたカップ、窓越しの斜めの光、誰かが座っていた直後のテーブル、半分だけ写った椅子の脚。「人がいる気配」だけが残っていて、本人は写っていません。

これは観光客向けに整えた演出ではなく、日々の節度として続いているように見えます。1日に何枚も投稿せず、多くて1枚。ときどき何日か空く。その間隔が、世界観の重さを支えています。

日本の個人カフェでも、ここは真似できます。むしろ素材を増やすより、出さないものを決めるほうが世界観は早く立ち上がります。

スラバヤ・スマランの人気カフェに共通する「場所感」の出し方

インドネシアのスラバヤやスマランで人気のあるカフェのInstagramを観察すると、また別の傾向があります。

商品写真より、空間写真の比率が高い。

新作ドリンクの写真より、床のタイルの模様、藤椅子の編み目、窓辺に置かれた1つのカップ、植物の影。「場所の手触り」を写すことに、撮影時間の多くが割かれているように見えます。

スマランの旧市街にあるカフェのアカウントを見ていると、同じ椅子・同じ窓・同じ角度が何度も出てきます。違うのは光と季節と、誰かが置いていったコーヒーだけ。それでも飽きない理由は、「ここに来た人だけが見ている景色」を反復して見せているからです。

日本の個人カフェも、本来は同じ強さを持っています。

毎日掃除している床のタイル、繰り返し座っている誰かの定位置、窓から入る今朝の光。これらは「特別な素材」ではなく「既にあるのに、素材として扱っていなかったもの」です。スラバヤやスマランのアカウントは、それを丁寧に拾い続けています。

引用文(cafe instagram quotes)が使われている本当の理由

海外のカフェアカウントを眺めていると、写真の上に短い引用文が重なっている投稿によく出会います。

「cafe instagram quotes」という検索が一定数あるのも、その効果を真似したい人が多いからでしょう。ただ、機能を誤解したまま真似すると、ただの自己啓発スライドのようになってしまいます。

引用文の本当の役割は、写真の余白を埋めず、ブランドの声を一筋だけのせることです。

写真がすでに語っている雰囲気を、文字で説明し直すために置かれているのではありません。「この店はこういう声で世界を見ています」という、店主の声色を1行だけ残すために置かれています。

日本の個人カフェで真似するなら、選ぶ言葉は3つの候補から考えるのが扱いやすいです。

  • 自分の店の言葉:朝の準備中に頭をよぎった一言、メニュー名にできなかった理由
  • お客さんがくれた言葉:「ここに座ると落ち着く」のような、断片の引用(許可があれば名前なしで)
  • 既存の詩や歌詞:基本的に避ける。著作権の問題があり、特に歌詞は引用要件が厳しい

3つめは扱いに注意が必要なので、最初のうちは自店の言葉だけで十分です。

海外を真似ても日本の個人カフェが負けない、4つの所作

ここまでの観察を、明日から真似できる所作に絞ります。

(1) 引きで撮る

商品にカメラを寄せすぎない。半分外して、店の床や椅子の脚を一緒に入れる。寄り写真は1日1枚で十分です。

(2) 1日1枚に絞る

複数枚あげる日と、何日か空ける日を作る。間隔そのものが世界観を作ります。連投すると、ひとつひとつの重さが薄まります。

(3) 場所の手触りを残す

商品写真だけでなく、床・窓・椅子・光を意識的に撮る。同じ場所を季節違いで何度も撮ると、アカウント全体が「ここに行ってみたい」に変わります。

(4) 短い言葉を添える

長文でメニュー説明をするより、自分の声で一言。お客さんがくれた言葉の引用も使いやすい型です。短い言葉のひな型は短い言葉のひな型にまとめています。

「素材がない」と感じているとき、本当は素材がないのではなく、既にあるものを素材として扱っていないことが多いです。海外のカフェがやっているのは、特別な撮影ではなく、日常を素材化する癖です。

観察→真似→自分の店に翻訳、の進め方

最後に、海外アカウントを「ぼんやり眺める」を「持ち帰る観察」に変える手順を置きます。

週に1回、15分だけ時間を取ります。決まった曜日にしたほうが続きます。

  1. 観察するアカウントを3つだけ選ぶ(多くしない)
  2. 直近10投稿を順に見て、「写っていないもの」「繰り返し写っているもの」をノートに2行で書く
  3. その中で「自分の店に既にあるもの」に丸をつける
  4. その丸を、今週どこかの投稿に1つだけ持ち込む

真似していい所作は「構図」「余白」「言葉の長さ」「投稿頻度」です。

真似してはいけない所作は「場所固有のもの」——パリの石畳、スラバヤの旧市街、特定店舗の什器そのもの。そこを真似ると劣化コピーになります。あくまで「自分の店の中で同じ機能を果たすもの」に置き換えて持ち帰ります。

参考アカウントの読み解き方そのものは参考アカウントの投稿パターンを読み解くで詳しく扱っているので、観察の精度を上げたいときに合わせて読んでください。

このピラー全体での運用設計はピラー全体のガイドに置いています。

見るだけで崩れる日に、仕組みに靠る

観察を続けて、所作を翻訳して、それでも「明日の投稿に落とす」段階で手が止まる、という方もいます。撮ってはみたけれど、どの1枚を、どの曜日に、どんな言葉で出すか——そこを決める時間が、結局1日の終わりに残ってしまう。

そういうときは、判断のところだけ自動化に渡してしまう手があります。brandroom は、お店の世界観を読み取って投稿案・画像・配信予定まで準備し、あなたは確認するだけ、という形で進みます。観察して持ち帰った所作を、毎日の運用に落とす段階で詰まっている方は、一度試してみてください。

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