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#Instagram運用#個人店#カフェ

人気カフェのInstagramを参考にする — 投稿パターンを読み解いて自分のお店に落とし込む手順

行きたいカフェや近所の人気カフェのInstagramを見て「こんな投稿をしたい」と思っても、何をどう真似すればいいかわからず手が止まる。投稿を5つの軸で観察し、自分の店の1週間テンプレートに変換するまでの手順をまとめました。

執筆: 藤野 遙(編集長)

ノートを広げたカウンターに、スマートフォンで複数のカフェInstagramを並べて観察している手元

行きたいカフェのInstagramを眺めていると、「自分のお店もこんな投稿がしたい」と思う瞬間がある。でも実際に何かしようとすると、「自分には撮影の腕がない」「素材がない」「あのカフェと雰囲気が違う」と感じて手が止まる。

参考にすること自体は正しい。ただ、「真似する」前に「読み解く」ステップを挟むだけで、あなたのお店でも使える型が見えてくる。この記事では、人気カフェのInstagramを5つの軸で観察し、自分のカフェの1週間の投稿テンプレートに変換するまでの手順を整理する。

人気カフェのInstagramを「観察する」前の準備

参考にするアカウントを闇雲に集めても、印象の断片しか残らない。観察を始める前に、参照先を絞ることが先決だ。

リストアップの基準は3種類に分けると整理しやすい。

  1. 近所・同エリアのカフェ: 地名検索(「渋谷 カフェ instagram」「吉祥寺 カフェ おすすめ」など)や位置情報タグから見つかる。自分のお店と客層が近い可能性が高く、タグ設計の参考になる
  2. 同業態・同規模のカフェ: フランチャイズや大手チェーンではなく、1〜3人で運営している個人店。スタッフ数やスペースの制約が近い分、「真似できる部分」が多い
  3. 憧れの世界観を持つカフェ: 自分が目指したいトーンのアカウント。必ずしも業態が近くなくてよい。ただしここから抜き出せるのは「構図のパターン」「色の使い方」など形式面に限定する

リストは多くて5〜7アカウントが上限。多すぎると比較しきれず、観察が散漫になる。

フォロワー数や「いいね」数だけで選ばない点も重要だ。フォロワー10万人のアカウントと、フォロワー2,000人のローカルカフェでは、投稿の構造がまったく異なる。自分のフォロワー規模と近いアカウントのほうが、今すぐ使える知見が多い。

投稿を分解する — 5つの観察軸で何をどう見るか

参考アカウントが決まったら、直近30〜50投稿を次の5軸で観察する。印象ではなく「数えて記録する」のがコツだ。

1. 投稿頻度とストーリーズの比率

フィード(通常投稿)が週何本か、ストーリーズは何日おきかを数える。1人で回している個人カフェの多くは、フィード週3〜5本・ストーリーズ毎日または平日のみという構成が多い。「毎日フィードに投稿している」ように見えるアカウントでも、実際には週3本のリールと週2本のカルーセルで構成されていることがほとんどだ。

2. 主な題材の構成比

何が一番多く投稿されているかを数える。商品(ドリンク・フード)、空間(店内・外観)、スタッフや手元、季節もの(旬の食材・装飾)、お客さまの声や口コミ引用、イベント告知——これらの比率を数えると、そのアカウントの「中心軸」が見える。

3. キャプションの文体と長さ

短い1〜2行のみのアカウントと、150字以上の説明文を載せるアカウントに大きく分かれる。問いかけで終わる(「今週のおすすめ、試しましたか?」)か、情報提供で締める(「本日のブレンドはエチオピア産です」)かも確認する。文体のトーンが自分のお店のブランドイメージと合うかを判断するための材料にする。

4. タグ構成

ひとつの投稿に何個のタグを付けているか、広域タグ(「#カフェ」「#coffee」)・地名タグ(「#渋谷カフェ」「#東京カフェ」)・独自ブランドタグの比率を確認する。カフェのインスタグラムハッシュタグの設計についてはハッシュタグの設計で詳しく扱っているので、タグ数と種類の判断基準はそちらを参照してほしい。

5. フィードの統一感(色温度・余白・アングル)

グリッドを引いた状態で眺めたとき、「なんとなく統一されている」と感じる要因を言語化する。多くの場合は次の3つのどれかだ。

  • 色温度の統一: 全体的に暖色系か寒色系か、明るいか落ち着いた暗さか
  • 余白の使い方: 被写体を中央に置くか、意図的に端に寄せるか
  • 撮影アングルの一貫性: 真上(俯瞰)が多いか、横から見た平撮りが多いか

この5軸で観察したものを、ノートや表に書き留めておく。記録しないと「なんか良かった」で終わり、自分の投稿に活かせない。

5つの観察項目を書いたシンプルなメモ帳と、傍らに置かれたコーヒーカップ

参考にした型を「自分のカフェの1週間」に落とし込む

観察で見えてきたパターンを、そのまま自分のアカウントには持ち込めない。スタッフ3人の大型カフェが使う撮影ブースや、毎日更新できる素材数は、1人で店を回すオーナーには使えない。

移植できるのは「構造」であって「素材」ではない

観察で出てきたパターンを「素材の種類」ではなく「投稿の役割」に置き換える。例えば次のような変換だ。

| 参考カフェの投稿 | 自分のお店での代替 |

|—|—|

| 季節の新メニュー写真(プロ撮影) | 仕込み中の手元・素材そのままをスマホで撮影 |

| スタッフのバックヤード紹介 | 自分が仕込みをしている場面、1人でも撮れる角度で |

| お客さまの口コミ引用 | Googleレビューのスクリーンショット投稿(許可確認後) |

| 季節の装飾ショット | 窓際の光と手元の小物で代替 |

次に、観察した「投稿頻度と題材比率」を自分のキャパに縮小して1週間のテンプレートを組む。週3本投稿を目標にするなら、例えば次のような設計になる。

  • 月曜: 今週のおすすめ商品(スマホ撮影、仕込み前の素材or完成品)
  • 水曜: 店の空間・雰囲気(窓際の光や朝の静けさ、テキスト少なめ)
  • 金曜: 短いキャプションで週末呼びかけ(「週末の営業は〇〇時まで」など情報型)

このテンプレートを2〜3週間試して、どの投稿が反応を得たかを確認する。フォロワー数が少ない段階では「保存数」が最も信頼できる反応指標だ。保存数が多い投稿の題材・文体・アングルを次月のテンプレートに組み込む。

撮影が間に合わない日の代替も先に決めておく。よく使われるのは次の2つだ。

  1. テキスト型投稿: 「本日のおすすめ一言」だけを画像テキストで作る(Canva無料プランで十分)
  2. 過去写真の再活用: 半年以上前の投稿からクオリティの高いものを再選別し、キャプションを書き直して再投稿

どちらも「素材がない日でも投稿できる」状態を維持するための仕組みだ。カフェのInstagramで来店につなげる基本でも触れているが、投稿を途切れさせないことがInstagramアルゴリズムにとって最も重要な要素のひとつになる。

また、個人店のInstagram全体を整理したい方はガイドはこちらも参照してほしい。

週のスケジュールを手書きした小さな手帳と、月曜から金曜に並べられた付箋のメモ

まとめ — 観察から続けられる型へ

人気カフェのInstagramを見て「参考にしたい」と思う動機は正しい。ただし「真似する」前に「観察して分解する」ひと手間が必要だ。

  1. 参考アカウントを3種類(近所・同規模・憧れ)で5〜7本に絞る
  2. 30〜50投稿を5軸(頻度・題材・文体・タグ・統一感)で数えて記録する
  3. 「素材」ではなく「構造」を移植し、自分のキャパで週3本テンプレートを組む
  4. 2〜3週間試して、保存数の多い投稿の要素を次月に取り込む

これを繰り返すことで、「いいな」と感じた投稿のパターンが自分のアカウントの文脈で再現できるようになる。

観察とテンプレート設計は1〜2時間でできる。でも毎週それを実行し続けるのは、1人で店を回しながらでは負担になる。brandroomは、決めたテンプレートを自動で回す仕組みを提供している。素材がある日もない日も、アカウントが途切れない設計を一度作っておきたい方は試してみてほしい。

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